おはようございます。矢野バラ園です。
昨日は梅雨の合間の晴れ間が広がりましたが、今日はまた梅雨に逆戻り。
バラさん達も、そろそろ思いっきり光合成したいでしょうが、もうしばらく我慢してもらいましょう。
さて、今日は当園で使っている堆肥のお話です。
当園では、自家製の堆肥を作っています。堆肥の材料になるのは「雑草」です。
上の写真は材料となる刈り取られた草を運んでる様子です。雨が降っていましたので、草が重くて大変です。
堆肥の材料は、当園の周りを整備した際にでるものや、シルバー人材センターの皆さんが市内の整備を行った際に出た廃棄物(雑草)を利用させてもらっています。
これらの材料に、既に堆肥化している雑草(だったもの)を混ぜあわせます。これが母材となり、堆肥化(発酵)をはやめてくれます。
堆肥化の過程で、材料の体積が減り、水気を帯びてきます。上の写真で白く見えているのは白カビです。
カビは菌糸を材料中に深く張り、分子の大きな有機物を、植物が取り込みやすい分子の小さな無機物に分解してくれます。この作用でより良い堆肥が出来上がります。
堆肥は、たまに「切り返し」をしてやることで発酵が早く進みます。水気を含み、ずっしりとした発酵中の塊は内部が酸素不足になりがちです。切り返しをすることで、発酵を行う菌を活性化させ、発酵が早く進みます。
ただし、「切り返し」作業は発酵温度を下げてしまうため、発酵を妨げ、堆肥の完熟期間を伸ばしてしまいますので、過度な切り返しは避けます。
この様な作業を経て、良い堆肥が出来上がります。
バラの栽培では株の植え替えなどが少なく、常に同じ土壌で栽培を続けています。そのため、栽培中に土壌をより養分の高い物に変えたり、改良する資材を入れることは難しいです。
そこで、この様な繊維質を含む堆肥を使用することで、土壌に栄養を供給するだけでなく、物理性(柔らかさ等)を改善して、バラさんの根の伸長や養分の吸収を助けることができます。
環境の良い土壌は、土を良くする微生物や小動物(ミミズなど)を呼び寄せて、常に良い土壌を維持してくれます。
土を良くする者達と共存しながら、今日もバラさんたちは元気に咲いてくれています!
コメント
[…] さて、堆肥の「切り返し」を行いました。(切り返し:過去記事参照) […]